[奈良県]株式会社楓工務店

弱点を克服し、長所を生かす営業力で若い社員がグイグイ伸びた

売る営業ではなく、問題解決する営業を研修によってパワーアップ

温かみのあるナチュラルスタイルの家を提案する奈良県の楓工務店。「家づくりを通じてお客様の問題解決をする」を理念に、若手社員が誠心誠意の接客を行っている。だが、成約に必要なポイントを押さえていないために、全力を尽くしても失注するという事態が生じていた。これを解決するために導入したのが、インプライの「営業力強化研修」だ。

「売ってなんぼ」の営業にはしたくなかった

田尻: 官谷さんに最初にお会いしたのは、とあるセミナーでしたね。あのとき聞いた内容はいまでも覚えていますよ。「成約に至るまでにはさまざまな〝地雷〟がある。いま成約しているのは、偶然に地雷をすり抜けているだけ。地雷がどこにあるかあらかじめ知っておけば失注を防げる」という話にすごく共感しました。

官谷: そのあと「一度、奈良でお会いしましょう」となり、カフェで田尻社長の思いをお聞きしました。

田尻:あのとき「業績を上げるのは会社を安定させ社員を幸せにするためだが、お客様を幸せにするためでもあるという思いはブレさせたくない。売ってなんぼの営業にはしたくない」とお伝えしました。でも官谷さんにはあまり響いていなかったですよね(笑)。

官谷:いや、響いていなかったわけではなく、あえて中立的な立場でいようと思っていたんです。以前は研修に入る会社のことを徹底的に調べていましたが、それをすると、最初から色眼鏡で社員のみなさんのことを見てしまうことに気づきました。ですから最近は、あえて真っ白の状態で、先入観を持たずに研修に入っています。

田尻:本格的な研修に入る前に、単発の「お試し研修」をお願いして、私がセミナーで聞いた内容を話して欲しいとお願いしましたよね。社員の感想次第では、研修を導入しないという選択肢もあったんですよ。

官谷:しかし、結果的には研修の導入を決めてくださいました。決め手は何だったのでしょうか。

田尻:社員から「勉強になった」という声が相次いだんです。私が共感した地雷の話を、社員たちは自分の営業シーンに置き換えて考えたんでしょうね。だから勉強になったのだと思います。

失注は社員もお客様も疲れさせる行為

田尻:私は営業出身ではなく、大工出身なので、いい家づくりへの熱い思いはもっています。当社に「営業」という職種がないのは、お客様の抱える問題解決の道案内をするのが営業の役割だと思っているから。当社では「コンシェルジュ」と呼んでいます。  この思いは、社内できっちり共有できていました。しかし、お客様の意志決定はちょっとしたことに左右されます。その勘どころを分かっていないと、どんなに思いを込めた接客をしても失注してしまう。そのことがコンシェルジュを疲弊させ、モチベーションまで下げてしまうと、前々から問題視していました。

官谷:商談の回数が増えることはお客様にとっても負担になりますからね。

田尻:私も、お客様にわざわざ時間をいただいて提案しているのに、家づくりを決断していただけないのは、お客様に対して失礼だと思っています。五回も六回も提案して意志決定していただけないのは、お客様を迷わせているだけですから。  自分たちの家づくりに自信があるなら、当社で家を建てるのを決断していただくことがお客様の幸せにつながる。だからこそ、決断に至るまでのポイントを私たちが知っておかなくてはならない。そのために官谷さんの研修が必要だと思いました。

官谷:ありがとうございます。研修を開始して、社員のみなさんはどう変わっていきましたか?

田尻:レビュー研修で一件一件の案件を振り返り、これができていない、あれができていないということを確認できたことが、社員に「気づき」をもたらしてくれました。でもそれ以上に、お客様に正しく意志決定していただくために、どのタイミングで何を聞かなければいけないか、その共通言語を社内でシェアできるようになったのが良かったですね。

官谷:研修の中盤で行った「中間発表」は、涙なくしては見られませんでしたよね。

田尻:そうでしたね。モデルルームはお客様から情報を引き出せるところだ、という官谷さんの話を、きちんと自分の中に落とし込んでいたことが分かり、本当に感動しました。

官谷:御社のコンシェルジュは、みなさん純粋ですからね。

田尻:純粋というか、どんなお客様にも誠心誠意向き合い、多大な労力と時間をかけて接客しています。おそらく「営業している」という感覚は一切なく、「お客様のお困りごとを解決する」という感覚で仕事をしているのではないでしょうか。 でもそれは、長所であると同時に、短所にもなり得ます。なぜなら、他社にお客様を奪われた場合、かけた労力と時間の分だけ、社員は「選んでもらえなかった・・・」と落胆してしまうからです。 そんなことにならないためにも、確実に受注につながる営業スキルを身につけてほしいと思ったんです。

官谷:なるほど。そうだったんですね。

田尻:当社のコンシェルジュたちは、一見、営業に向いていない人材が多い。声は小さいし、見た目もパリッとしていないと思いませんか?でも私は、営業ができそうな人より、家づくりでお客様の問題を解決するという当社の価値観に共感してくれる人を採用したい。だから「営業らしくない人材」が集まってきているのだと思います。  最初は営業に向いていなくても、人には可能性があるし、いくらでも成長していける。現に、新卒から入ったコンシェルジュたちが、官谷さんの研修によってどんどん結果を出せるようになっています。

官谷:私としても、御社の価値観を壊さず、大切にしながら、営業力を強化できるよう意識しています。

社長自らもフル参加。社員のやる気を削がない空気をつくる

官谷:それにしても、すべての研修に田尻社長が参加し、しかも研修中にさまざまな意見を言ってくださいましたね。

田尻:官谷さんは営業のプロですから、住宅業界のことを知り尽くしています。でも当社のコンシェルジュの多くは、新卒で入社しているので、住宅業界にどんな風潮があり、他社がどんな営業をしているか知りません。そこに、官谷さんのストレート過ぎる話題や指摘が飛んでくると、社員たちはびっくりして引いてしまうんです。

官谷:確かに。当初は田尻社長からはよく「もっと手加減して話してください」と言われていましたね(笑)。社員のみなさんから「キツいからもうやめたい」という声は出ませんでしたか?

田尻:不思議なことに、一度も出たことがありません。それどころか、次に官谷さんが来るまでに、これとこれだけはやっておこうという意識が、社員の中に生まれました。官谷さんの研修は自身の営業経験に基づいたものなので、社員の心に響きやすいのだと思います。  ただ、先ほど言ったように、刺激が強い一面もありますので、研修の場が凍りつかないように、ときどき「研修で教わったことを完璧にこなして、官谷さんを倒してみろ!」と突っ込みを入れていました。

人材育成の重要ポイントに改めて気付かされる

官谷:田尻社長の印象に残っている研修があれば、教えてください。

田尻:「ピーククロージング研修」、「ラブカンパニー研修」ですね。ピーククロージング研修では、営業マニュアル通りにお客様の心は動かない、ということに気づかされました。お客様の意識がピークのときに提案しないと、他社に流れしまうというところが分かりやすかったですね。
ラブカンパニー研修では、会社の良さをきちんとお客様に伝えることが、お客様の安心につながることを再認識できました。社員の中には、会社の良さを伝えることに対し、「ただの自慢話に聞こえたらどうしよう・・・」と不安に思っている者もいます。でも、それは思い込みであることを気づかせてくれました。

官谷:御社の場合は、お客様との信頼関係をつくった上で商談していくので、成約までに二〜三ヶ月かかりますよね。研修を受ける前と後とでは、営業成績はどのくらい変化したでしょうか。

田尻:成約率は30%アップ、業績は30%アップしています。営業研修で学んだことを実践し、コンシェルジュたちにさらに自信がつけば、成約までの期間もおのずと短くなっていくと思います。

官谷:田尻社長のすばらしいところは、業績の数字よりも、社員のモチベーションを大切にしているところだと思います。

田尻:人を育てるのは、水泳を教えるのと同じだと思うんです。泳げない人が水に入るのは怖いし、浮き輪をはずすのはもっと怖い。でも、足をバタバタすれば水面に浮いてくるということを、経験として教えることができれば、どんな若い社員でも自信をつけることができます。  しかも、社内の人間ではなく、官谷さんのように、膨大な営業経験を持つ社外の人に言ってもらうと、よけいに心に響く。会社や社員を客観的に見てフィードバックしてくれたことも、人材育成を考える上でいい勉強になりました。

官谷:そう言っていただけるとうれしいです。では最後、しめていただてもよろしいでしょうか。

田尻:結局、なぜ官谷さんの研修を導入しているかというと、社員がお客様に安心して提案できるようにするため。職業観と自信を見失うことなく、仕事を続けてもらうために必要なものだと思っています。

インプライの研修時はこんな会社に向いている

田尻:社内での共通言語が明確になっていない会社や、営業社員の成績にばらつきがある会社におすすめです。ある人はすごく成績がいいのに、ある人は悪いということは、会社としての共通言語が定まっていない証だと思います。なぜこれをお客様に聞かなければならないのか、聞かなければどうなるのか、そんな基本中の基本を全社員で押さえることで、営業成績のばらつきがなくなっていきます。
私は、年間九棟を売るA社員と一棟しか売れないB社員がいるよりも、AもBも五棟ずつ売ってくれたほうがいい。スーパースターのような社員がいて営業成績を挙げている状態は、非常に危険です。スーパースター社員のやり方が正しく、それ以外は正しくないという枠組みができ、そこに当てはまらない社員は夢も希望もなくなるからです。しかし、みんなが同じ力をつけ、一棟ずつ成績を伸ばしていければ、ずっと強い会社であり続けられると考えています。

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